今日は少しdeepな話をしていこうと思います。
リハビリ職に携わっていると治療以外にも退院先の検討やご家族様との相談をさせて頂く機会が多々あります。皆さんは”リハビリ”と聞くと良いイメージが頭に浮かぶことが多いと思っていますが,実際はそう上手くいかないことも多々あります。もちろんハッピーエンドで退院されていく方もいらっしゃいますが。
退院先の一般的な例としては自宅が多いですが,施設入所になって生涯を過ごす人も大勢います。施設入所の理由としては,個人の身体機能低下もしかりですが,金銭面や核家族化等の影響も色濃いです。入院時は息子,娘様が「親の為なら何でもします。」と言っていたのが,面談で自宅に帰るには介助が必要であるということを聞くと「仕事もあるので介助なんて無理です。でもお金もないので施設もできるだけ費用が掛からないところを探してください。」と人が変わったかのように訴えています。相談員の方が四苦八苦していることは日常茶飯事です。また,息子,娘様のなかで”誰が面倒(介助)をみるか”という内容でもめて最終的に施設入所になることもあります。特に珍しいケースではありません。
私は施設でのリハビリからこの職業を始めたので,リハビリ病院に転職した時は「少しでも多くの人を家に帰したい。」と思っていましたが,今では「お門違いだったのかな?」とも思えてきます。リハビリ職はあくまで”動作方法の提案”までであって最終的に決断を下すのは本人と家族ですので,この職の守備範囲に安堵することも時々あります。まだまだ精進していかねばと思う今日この頃です。
上述した事例を目の当たりにすると「人の絆って諸刃だなぁ…」と物思いにふけってしまいます。再度誤解を招かないようにお伝えしておきますが,自宅に帰って家族で幸せに暮らす方もいます笑ただ,綺麗なリハビリばかりできないこともあるってことを伝えたいがために今回綴らせて頂きました。
”健康を損ねると身体の自由を失うだけでは済まないかもしれない”
自身含め日頃の教訓です。
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